ギターの歪みとは?

はじめての自作・改造

ギターの歪みとは?

歪みはどのように作られているのか?オーバードライブとは?じゃあディストーションは?という内容をできるだけ簡潔に説明してみました。

こんなことわかっていなくてもエフェクターの自作やモディファイは出来ますが、雑学として入れておくとちょっとは役に立つかもしれません。

歪みとは?

「ギターの歪み」などで検索してみると
アンプのゲインやボリュームを上げて信号を過剰に増幅し、音を「バリバリ」「ジャリジャリ」と割れた状態にすること。
真空管アンプやエフェクターに許容範囲を超える大きな音信号を入力し、波形がカットされることで発生します。

と出てきます。

なので、歪みは
①信号を増幅させる
②増幅された波形をカットする

と歪が発生するということになります。

「信号?」というところで引っかかった方は「ギターの音」と認識しておいていいと思います。

信号を増幅させる

アンプでもエフェクターでも、増幅回路というものが入っています。

信号の増幅は真空管やトランジスタ、オペアンプが行っています。

「アンプとは」と検索すると、
入力された微弱な電気信号(音声信号など)を、より大きく(増幅して)出力する装置
と出てきますね。

ここではとりあえず、「エフェクターのなかで信号(ギターの音)を増幅させてんだな」
って認識のみでOKです。

増幅された波形をカットする

イメージしやすいよう、ちゃんと図を作ってみました。
まずはクリーンサウンドで普通に弾いた状態の音の波形です。

これにブースター(クリーンブースト)を入れると波形はそのままに増幅されます。

このまま増幅させるとボリュームが上がっていき、音が割れます。

そこで「増幅された波形をカットする」が出てきます。
エフェクターで多く使われる波形をカットする方法が「クリッピング」です。

クリッピングは主にダイオード(たまにトランジスタやFETも)が使用されていて、ソフトクリッピングとハードクリッピングがあります。
それぞれ、回路上のどこでクリッピングさせるか(回路上のどこにクリッピングダイオードがあるか)で変わります。

ソフトクリッピング=増幅回路の帰還ループ内
→おもにオーバードライブ

ハードクリッピング=増幅回路の出力とグランドの間
→おもにディストーション

実はオーバードライブとディストーションの明確な違いや区分はないそうです。
私はクリッピングがソフトかハードかのどちらかと、実際に音を聞いた感じの感覚で分けています。

ソフトクリッピング

さきほど説明したソフトクリッピング=増幅回路の帰還ループ内というやつは一体どういうことなのかをTS808の回路図を例にしてみます。

↑この回路図の一部を抜粋します。

この回路図のIC1がオペアンプになります。
このオペアンプはデュアルチャネルなので1・2・3と5・6・7の2つの増幅回路があり、8が電源(+)で4がGND(-)です。

黄色で囲った部分がIC1の1・2・3の増幅回路になります。

ここまでの説明で「ソフトクリッピング=増幅回路の」まではなんとなく理解していただけたかと思います。
(なんでこれで増幅されるんだ?というのはひとまず置いておいて、オペアンプに対してなんとなくこんな形の回路って認識で十分です)

で、次がちょっと難しそうな言葉の「帰還ループ内」です。

ギターの信号がどのように流れているのか矢印をつけてみました。

INというのがINPUTジャックになりますので、INから入った信号がIC1オペアンプの3番に入って1番から出ていきます。

1番から出た信号はR8の方向とダイオードやDRIVEつまみを経由して2番へ向かっています。

2番に入った信号はまた1番から出ていくというループができています。
これが帰還ループです。

これで「増幅回路の帰還ループ内」にダイオードがあればソフトクリッピングとなります。

このTS808回路図でいうところのダイオード(D1とD2)がソフトクリッピングのダイオードになります。

ハードクリッピング

ハードクリッピング=増幅回路の出力とグランドの間
ということで、今度はCrunchBoxDistortionの回路図を例にします。

上記回路図のIC1もデュアルチャネルです。
5・6・7の増幅回路が下図のあたりになります。

TS808と違ってここにはクリッピングダイオードがありませんが、
ICの6番から信号が入って、7番から出る。
7番はC7方向と6番に戻るループができていますので似たようなもんです。

これで「ハードクリッピング=増幅回路の」までは説明できたかと思います。

次はソフトクリッピングのときと同様に信号の向きを入れました。

ICの6番から入った信号が7番から出る。
ということは、増幅回路の出力はIC7番以降になります。

そしてICの7番とGNDに挟まれたLED1とLED2のダイオードがハードクリッピングとなります。

ソフトクリッピングとハードクリッピングを簡潔に表した波形はこんな感じです。

ソフトクリッピングよりもハードクリッピングのほうが増幅量が大きく、波形の形も台形に近いです。その分歪量が増えてサスティーンも長くなります。

回路をみるとハードクリッピングですが、商品名が「〇〇オーバードライブ」であったり、ソフトクリッピングとハードクリッピングの両方が使われているものもあります。

対称・非対称クリッピング

なぜダイオードがこのように双方向に並列に配置されているのかは下図のように波形をクリッピングするためです。

D1とD2で同じように対称にクリッピングさせることを「対称クリッピング」といいます。

これをD1とD2で異なるダイオードを使ったり、D1部分を2こ並べたりして、波形の対称を崩すことを「非対称クリッピング」といいます。

対称クリッピングは硬質的で整った音で、非対称クリッピングは倍音豊かで温かみが・・・などと表現されています。

エフェクターのクリッピングには対称・非対称どちらのクリッピングも使われています。

まとめ

ソフトクリッピングとハードクリッピング、どちらも元の波形を大きくして、余計な先端部分を切っていることには変わりないです。
どのくらい増幅させて、どのくらいクリッピングさせるのかで歪量が変わります。

ソフトクリッピングのほうがやや原型が残っていてアンプライクといいますか、クリーンのニュアンスは面影がある感じかと思います。


比べてハードクリッピングのほうは、信号をより大きく増幅させて、より大きく先端部分を切っています。
それによってサスティーンは伸びて、音的にはギュイーーーンといいます。
クリーンのニュアンスはソフトクリッピングに比べると少ないです。

参考になれば幸いです!

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